麻璃の海 ライフ・ストーン


               お墓参り



春に、両親の墓参りをしてきました。
その際、妻の両親もご招待して、4人で仙石原の旅館に一泊。


往きは私の超豪華リムジン(4人乗ればいっぱいいっぱいでエコノミーシートよりも狭い・・)に乗せ、ターンパイク〜芦ノ湖スカイライン〜箱根スカイラインをエンジンあえぎながら走り、晴れていたので途中絶景ポイントで手作りのお弁当を食べ、まァお約束のロープウェイや美術館に行ったりしました。

泊まったのは小さな旅館でしたので、客は私たちのみ。
お洒落な造りの建物ではないし食事も豪華なものはないけれど、丁寧な調理と味付けで美味しかったのと、お風呂もかけ流しで満足のいくものでした。

翌日は仕事もあるので、帰りは御殿場から一気に家まで。


それだけではあるのですが、彼女の両親はとても喜んでくれました。
あらためて気づいたのですが、こんなことでも喜んでくれる、このことがけっこう大事なんだなァ、と。
私がこれまでそういったことに疎く、鈍かったことがあらためてよくわかりました。
もしも私の両親がそばにいれば、いくらでも連れて行ってあげるのに・・、そうすればきっと喜んでくれるのだろうと思うと、取り戻すことのできない、遅きに失した万感の思いに胸が締めつけられるようでした。


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今年は桜が早く咲いてしまい、例年だとこの頃が見ごろなのですが、今回は御殿場のあたりはもう完全に葉桜となり、両親の眠る冨士霊園にはちらほらと、ホンのわずかに花が残っているという塩梅。
で、「や〜遅かったナ〜」などと一言。


私はいつも、花は一本一本自分で選んで買いそろえて飾るのですが、通例どおりそのようにして供え、ただ、今回は妻の両親もはじめて見え、皆でお参りをしました。
そうしてお参りも終わり、「さて、では」と立ち去ろうかというときでした。

それまでずっと凪いでいたのが、まさにそのとき、いきなり風がサーっと吹いてきて、わずかに残っていた桜の花びらがいっせいに私たちの方に、花吹雪のように舞ってきたのでした。

私はハッとして桜の方を見上げ、いっとき、時空を超えたような桜吹雪のシャワーを浴びるのでした。
そのとき、私には感じるところがありましたが、おそらくそこにいた皆にも、同じものがあったのではないか、と思うのです。





    
人はなぜ生まれてくるのか
   
 フランケンシュタイン
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